健康で美しい猫を育てる
ブリーダーたち
キャットショースタッフとしても活躍中!
シャルトリュー ブリーダー
ブリーダー歴27~28年
いしむら あきこ
石邑 明子 さん
今、飼育している猫ちゃんの猫種を教えてください。
シャルトリューとメインクーンを飼育しています。いまは10歳過ぎた子がほとんどで、全部で14頭程になります。
元々はシャルトリューだけだったんですけど、友だちの家で飼育していたメインクーンを一度お預かりしたら、メインクーンとシャルトリューの相性がとってもいいことを知りました。海外のシャルトリューのブリーダーさんも、この組み合わせで飼育している方が何人かいるので、きっと相性いいんだろうなと思います。
マイ(8歳)
【シャルトリュー】
チャームポイント:体がしっかりしている、お肉が詰まったパンパンのお腹
シャルトリューを飼育するようになったキッカケは何ですか?
ブリーダー自体は、27~28年前からやっています。ブリーダーを始めてすぐは自分自身にぴったりな感じの子がいなかったのと、子猫を育てる中で勉強不足もあり、悲しい経験もあったことで、2年くらいお休みをした時期もありました。その間に、夫がシャルトリューを見つけてきたのがキッカケです。
当時は本当に知識がなかったので、頭の中にはアメリカンショートヘアやロシアンブルー、メインクーンとか、もっとメジャーな猫種しか知らず、シャルトリューという名前を聞いても、珍しいのかどうかも分かりませんでした。
石邑さんがハマった
シャルトリューの魅力
シャルトリューの魅力にハマっていったのには、どんな経緯があったのでしょう?
最初は、ロシアンブルーを綺麗な猫ちゃんだなと思って、ペットとしてお迎えしたいと思っていました。しかし、主人が見つけてきた猫ちゃんはシャルトリューで、初めて見た時は、「なんて素朴な子なんだろう」って思ったんです。ちょっと不器用そうというか、垢抜けきらないっていうか…。でも、一緒に暮らしてみると、そういう子って毎日見てて飽きないんです。ボーっとしておっとりしたキャラクターが、一緒に過ごしていて笑えちゃうんです。特に男の子って大人になってくると、もうおじさんみたいになってくるんです。それがなんか、微笑ましい可愛さで、愛着が湧くんです。そんな時間を過ごしているうちに、「あ、この子たちが家にいなかったら嫌だ」って不思議に思うようになっていました。
Breeder’s view
シャルトリューならでは
猫ちゃんのネーミングの秘密
シャルトリューのネーミングには、特有の慣習があると聞きました。
お決まりではありませんが、フランスの習慣で生まれた年のイニシャルはこれっていうのが、アルファベット順であるんですよ。去年が"T"だったから…今年は"U"が頭文字の名前です。だから、名前を聞けば何年に生まれた子っていうのが大体分かるんです。
なぜそのような慣習ができたのでしょう?
シャルトリューはフランスが発祥地で、現地の人たちからくる風習だそうです。ルールじゃないんですが、図らずもやりだしたのがアメリカのブリーダーさんにも伝わって広がることになったんです。それを全ての人がやっている訳ではありませんが、私は最初から使っています。すごく使いにくい頭文字の時もあれば、「今年のアルファベットは名前に使いやすいから~」と思って色んな名前を用意しても、結局1回もお産がなかったりすることもあります。でも、アルファベットの中で、"K""Q""X""Y""Z"の5文字だけは、名前を付けるが難しいのか、使わないんだそうです。1周回ると、最初からになり、来年は"V"だから、"A"に戻るということです。
Breeder’s view シャルトリューのお世話事情
普段の猫ちゃんのお世話について教えてください。
水やご飯を替えたり、私の場合は1回大体20分で終わってしまうので、あとは掃除しながら毛をといたり、爪切りをする時間にあてています。シャルトリューは、無理せず一緒に暮らせる猫種だと思っていて、猫ちゃんを初めて飼う人にはおすすめです。
猫ちゃんの健康管理のためにやっていることはありますか?
シャルトリューの特徴は、茄子に爪楊枝をさした様な体型と言われており、よほどの場合を除き、太っていることを指摘されにくい猫種になります。ただ、太りすぎてしまうと、股関節を悪くしてしまいます。なので、うちはちょっと高めの場所にご飯を置くようにして、運動をする機会を設けたりしています。
他に、猫ちゃんのお世話で大切にしていることはありますか?
猫ちゃんは顔を見て訴えるんですよね。その場の空気を敏感にとらえている気がしています。だから、普段人間を穏やかな気持ちにしてくれる猫ちゃんたちに対しては、私たちも常に穏やかな気持ちで接することを心がけ、それを大切にしています。後は、小まめなスキンシップを意識しています。
猫がいると夫婦喧嘩がないんです。猫は夫婦で言い合うといやな顔するんですよ。多分トーンで分かるんでしょうね。だから、やっぱり穏やかに接してあげたい。家族だから全部大切なんです。
キャットショーで活躍する
シャルトリューの特徴
ショーで活躍するシャルトリューの特徴を教えてください。
シャルトリューはフランス起源の猫種なのですが、ショーで活躍するタイプはアメリカでブリードされた子だったりします。同じ猫種でも、ブリードされた国で顔が違うんです。
それはなぜでしょうか?
フランスのシャルトリューを元に、アメリカの団体がスタンダード(猫種の基準)を、独自に作っていったためです。フランスでは、元々いたシャルトリューがどんどん減ってしまって、猫種の保存のために異なる猫種との組み合わせを考えるなどして保ってきたそうです。シャルトリューのイヤーセットはブリード・スタンダード(猫種の基準)では立っているものが好ましいとされていますが、一昔前はフランスのシャルトリューのイヤーセットは開いている子が多かったです。最近はヨーロッパのブリーダーさんとアメリカのブリーダーさんの交流もできて、ヨーロッパのショーでもイヤーセットが綺麗な子を見かけるようになりました。
今はそうでもないかと思いますが、同様にノルウェージャンやメインクーンでもアメリカとフランスとでは少しタイプが違ったりしていました。
キャットショーは猫ちゃんの
健康チェックの機会?!
キャットショーが初めての方へ、おすすめするとしたら、どんなことを伝えますか?
キャットショーは一般の方から見ると、具体的にどういったものなのか分かりにくいかと思います。私もそうだったんですが、最初は敷居が高いと感じるかもしれませんが、行ってみると猫好き、猫マニアみたいな人が多いんです。猫自慢だったり、「猫ちゃんのこういう時どうしてるの?」みたいな話もできたりします。それに、自分の一番可愛いと思っている猫ちゃん、出陳した子がちょっとでも褒めてもらえると、天にも昇る気持ちになります。それも楽しいと思います。
あとは、やっぱりキャットショーに行くにあたって、その前にシャンプー、爪切りをすることになるのですが、シャンプーするってことは、その時に色んなチェックができちゃうんですよね。「あ、ここおかしい」とか、ちょっとしこりがあるなとか。太らせすぎちゃってもキャットショーの結果に影響するので、そういう意味でも、必然的に猫ちゃんの健康管理をするキッカケになるかなと思います。
キャットショーを猫ちゃんの健康チェックの機会のような感覚でとらえる考え方があるんですね。
キャットショーに行って初めて「太らせ過ぎちゃったな」とか、「上手にシャンプーができなかったな」とか思うところもあり、それはやっぱり、ショーに限らず普段からのケアにも役立ちます。
キャットショーは、猫の状態を定期的にチェックできる機会になるのでいいと思います。それでいい成績(左写真)をもらったりしたら、みんな嬉しく感じることと思います。
ショーのスタッフとしても
活躍中!石邑さんの思う
キャットショーの楽しみ方
キャットショーにお客さんとしてくるだけでも、楽しめるポイントはありますか?
やっぱり色んな人が来るし、色んな猫種を見ることができます。なかなかペットショップなどでは見られないような猫ちゃんも見れます。ブリーダーさんによっては、触らせてくれる方もいます。ブリーダーさんとお友達になって、猫ちゃんを譲ってもらうことだって可能かもしれない。そういう意味でもキャットショーはいい場所だと思いますよ。
最後に、石邑さんにとって、キャットショーとは?
キャットショーに参加していなかったら知り合わなかったような人たちと猫ちゃんを通してつながれる場所です。視野も広がるし、自分の生活も楽しくなる、大切な場所です。