- ジャッジ(キャットショー審査員)としても活躍中!
アメショーとデボンを飼育するブリーダー・田崎尚枝さん - キャットショーで活躍する猫、そのお世話をするブリーダーさん。
意外と知らないキャットショーの世界やブリーダーさんのこと、ブリーダーさんだから知る猫のことを直撃インタビューで教えてもらう連載企画、第一弾。
田崎 尚枝ブリーダー
ブリーダー歴:39年
【アメリカンショートヘア】
春姫(7歳)
性格:優等生、言うことをちゃんと聞くとてもいい子
チャームポイント:ブルーのコートカラーがすばらしい
キャットショー出陳歴:8回くらい
【デボンレックス】
ジョナ姫(5歳)
性格:とにかく明るい、頭がいい
チャームポイント:目力
キャットショー出陳歴:子猫のとき、5回
▲アメショーの美男・美女 兄弟姉妹
▲子妖精降臨!?
Q.飼育されている猫ちゃんの種類と数を教えてください。
今は22匹を飼っています。デボンが13匹、アメショーが9匹です。
Q.飼育されている猫種の魅力を教えてください。
まず、アメリカンショートヘアはとても人気がありますよね。
穏やかで飼いやすいので、初心者オーナーさんにもおすすめです。
私にとってアメショーは初めて飼った猫ちゃんで、ブリーダーになるキッカケになった猫種でもあります。
ゆったりとした性格と、お腹はポヨンポヨンしていますがマッスルな体つきが大好きです。どの猫種の体つきも、私はみんな好きなんですけどね。
デボンレックスは、私が始めた当時は日本にいませんでした。ジャッジのトレーニングをするためオーストラリアに行ったときに初めて会って一目惚れして、7人兄弟の中の1人を、ブリーダーさんから譲っていただきました。"妖精"と言われているくらい本当に可愛いくて、センターコートのウェーブが非常に美しいです。抜け毛はほとんどないので、とても飼いやすいと思います。
▲アメショーの春姫ちゃん
▲デボンのジョナ姫ちゃん
お世話でのこだわりは話しかけること!
Q.お世話で特にこだわっていることは何ですか?
たくさん話しかけることです。それと、たくさん触ってあげること。
猫ちゃんはちゃんと応えてくれるので、話しかけて触ってスキンシップをするのが、すごく大事なことだと思います。
Q.普段からよく猫ちゃんに話しかけているんですか?
はい、朝は「おはよう」と挨拶をしたり、ちゃんと1人ひとり名前を呼んだり、天気のこと「今日はちょっと湿気すごいよね~」とか(笑)、毎日欠かさず声かけをしています。うちの猫ちゃんたちは「ハウス」と言われると、ちゃんと決められた場所に入るんです。そのときに「お利口だね~」と褒めると喜ぶんですよね。朝はロイヤルカナンのドライフードをあげているのですが、「ご飯だよ」と言うと同様にパンパンパンとゲージに入ってくれるんです。すごいでしょー!(笑)やっぱり猫ちゃんも、声をかけられるとすごく嬉しいんだと思います。ちゃんとしつけだってできるんですよ。
猫ちゃんをより可愛く・かっこよくする!
ショーキャットならシャンプーにはこだわりを
▲沢山の猫を良く観察することが良いブリーダーにつながると話す、田崎さん
Q.キャットショーで活躍できる猫ちゃんを育てるために、重視すべきことは何だと思いますか?
キャットショーは美男美女コンテストなので、グルーミング(シャンプー)はしっかりとしていただきたいです。同じグレードの子でも、グルーミングの差で本当に違ってきます。グルーミングをすっごく綺麗にやってきている子の方が、どうしても良く見えますよね。それと、家では大人しいのに、どうしてもキャットショーにくるとドキドキしてしまう子がいると思います。なので、なるべく色んな方に会わせて、慣れさせておいた方がいいと思います。
猫ちゃんの毛質に合わせたシャンプーの重要性
▲田崎さんがアルバムにまとめている猫ちゃんの写真
Q.ショーキャットのシャンプー選びには、どんなポイントがありますか?
猫ちゃんの毛質を知って、それに合わせたシャンプーを使うことがポイントだと思います。
例えばノルウェージャンは、ダブルコートでノルウェーの森に居たわけですから、雨にも負けず風にも負けずなんですよね。上のオーバーコートは、やはり水を弾く感じなので、柔らかくてはいけない。
Q.田崎さんは、猫ちゃんのシャンプー選びをどのように学んできましたか?
他のブリーダーさんに聞くんです。やっぱり聞かないと。
私は以前師匠から、「アメショーは馬の遺伝とすごく似てるから、馬のシャンプーを使え」と教えてもらって、やってみたことがありました。けど、どうやって使うかなど詳しいことは教えてもらえなかったので、お友達と試行錯誤して色々やっていましたね。
ブリーダーさんに会場で聞いてみよう!
Q.ブリーダーさん同士の情報交換が大切なんですね。
そうですね。シャンプー以外にも役に立つ様々な情報を教えてもらったこともありました。
今回お客さんとしてショーにいらっしゃる方で猫ちゃんを飼っている方は、会場にいるブリーダーさんがお手隙の際に声をかけてみると素敵な情報を教えてくれるかもしれません。
ジャッジ(キャットショー審査員)としても活躍中のブリーダー・田崎さんの思う キャットショーの楽しみ方
いろんな猫ちゃんに出会えるキャットショー

▲ジャッジとして活動する中での思い出を懐かしそうに話す、田崎さん
※サバンナキャットは、野生のサーバルキャットと、イエネコの一種 ベンガルキャットを交配して生まれた、ハイブリッドのネコ種。世代ごとにF1~F7で分類されることが多く、F1が最も古い世代。世代が古いほど、平均的な体重が大きくなっている。
Q.キャットショーのジャッジとしても活躍されている田崎さん。キャットショーの楽しみは、どんなことだと思いますか?
キャットショーの楽しみの1つは、いろんな猫ちゃんに出会えることだと思います。
私自身、ジャッジになるのはすごく大変だったんですけど、キャットショーを通していろんな猫ちゃんと触れ合いたい気持ちで、長い下積み時代を乗り越えられました。
Q.これまで出会った猫ちゃんで、印象的だった猫ちゃんについて教えてください。
ジャッジとして活動する中で、コロナ前はよく海外にも行かせていただいて、ベルギー、フランス、オーストリア、ドイツ、スイスなどのヨーロッパや、アメリカ、アジア、オーストラリアなどかなりあっちこっち行きました。それぞれの国で印象に残る子はいましたが、なかでもアメリカで当時認められいなかったサバンナキャットが、4ヶ月なのにこーんなに大きくて、それはそれはびっくりしましたね。今は認められましたけど、昔ながらのF2、F3(※)サバンナっていうのは、あまり見かけることがないんです。そのサバンナの4か月の猫ちゃんを見たときは、ちょっとビックリでした(笑)
今は海外の話をしましたが、日本のキャットショーでも毎回いろんな猫ちゃんが集まってくるので、「今回はどんな子に出会えるかな?」と、楽しみにショーに臨んでいます。
猫ちゃんの表情に注目してほしい
▲キャットショーでファイナル審査に残るともらえるロゼット。
Q.田崎さんがジャッジとして、キャットショーで心がけていることはありますか?
1番最初にジャッジのトレーニングを受けたときに、ゲージを開けるときは「こんにちは」と声をかけるといいよと教わりました。そこからずっと「こんにちは」の声かけを大切にしています。
「今日も来たのか」「大変だね」「頑張るんだよ」とか、そんな声をかけをすると、ちゃんと反応も返してくれますし、ため息もつくんですよ、「はー」って。本当に面白いです。猫ちゃんについて詳しくない方でも、見ればその反応が分かると思うので、そういう猫ちゃんの表情にも注目していただければと思います。
Q.最後に、キャットショーにいらっしゃるお客さまへメッセージをお願いします。
エントリーしている方は、「ここが見せ所!」という気持ちで来ていて、ジャッジの方も真剣に審査しています。そういうところを楽しんでいただけたら嬉しいです。