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猫のケアの仕方

Let's トライ!すぐに実践できる猫のお役立ちコンテンツ

猫のケアの仕方 Chapter 2
猫のケアの仕方
猫が嫌がらずにケアができるようになるアプローチ方法
"ハズバンドリートレーニング"をご紹介します。

東京農工大学特任講師
監修:入交 眞巳先生

ハズバンドリートレーニングとは?

猫がストレスなくケアをできるよう活用してみましょう!

安全で健康的に動物を飼育・ケアするために必要な体制を整えることをハズバンドリートレーニングといいます。主に動物園の動物に対して使うことが多いのですが、昔は動物園の動物の健康診断をするとき、麻酔をかけて行っていました。毎回麻酔をかけることはとても危険で、かつ人手も必要になってきます。そのため、毎回麻酔をかけなくても、「ここでおとなしく待っていてね」と言って健康診断をやらせてくれるようにトレーニングをした方がいいのではないか、ということからハズバンドリートレーニングというものが生まれました。今では多くの動物園で普及しています。ご褒美を与えながらここで待っていてねと指示をしたり、体温を測るからじっとしていてね、とおやつを使ったりしながら楽しくストレスなく教え、ケアを施すという方法です。この方法をぜひ猫にも活用してみましょう。

実際にハズバンドリートレーニングをしてみましょう

おやつを使って無理なく楽しく行うことがポイント!

おやつを食べさせながらブラッシングする様子
▲おやつを食べさせながらブラッシングする様子

◎ブラッシング
嫌がる猫を捕まえてガシガシとブラッシングすることは、猫にとって非常にストレスになります。ストレスを与えずにブラッシングをする方法の一つとして、猫の好きなペースト状のおやつまたはごはんを牛乳パックの裏に薄く塗ります。猫がそのおやつを舐めている間にブラッシングしてあげましょう。こうすることで、おやつを食べている間はブラッシングをしてもいいよ、我慢するよ、というトレーニングにもなりますし、ブラッシングが苦手な猫でもストレスなく楽しんでケアをさせてくれます。最後はおやつがなくなったタイミングでブラッシングも終了するようにしましょう。

点眼薬を近づけると同時にクリック音を鳴らす
▲点眼薬を近づけると同時にクリック音を鳴らす

◎点眼
点眼をするトレーニングをするときは、クリッカートレーニングを活用しましょう。クリッカートレーニングというのは、動物が上手にできたらクリック音を鳴らし(クリッカーという道具を使ったり、人の舌で音を鳴らす方法がある)その後におやつをあげる方法です。クリック音とおやつが必ずセットになっていることが重要です。このトレーニングを繰り返していくと、クリック音が鳴ったら「今のは良い行動だったんだ!このあとにおやつがもらえるぞ!」ということを覚えていきます。点眼の場合は、まず目薬が目の側に来るときにクリック音を鳴らします。目薬が目の前に来ても怖がらなくていいんだよ、ということを教えてあげましょう。

おやつを与えながら徐々に点耳薬を耳に近づけて慣れさせる
▲おやつを与えながら徐々に点耳薬を耳に近づけて慣れさせる

◎点耳
点耳をする際も点眼の時と同じようにクリッカートレーニングで教えていきます。いきなり点耳薬を耳に入れようとするのではなく、私が点耳薬を持ってあなたに近づくけれどそこにいていいんだよ、ということを教えます。点耳薬を持って猫に近づき、猫がそれを逃げずにじっとしていたらおやつをあげる、という練習から始めましょう。ただし猫は飽きっぽい性格なので、何回かやって楽しんでいるうちにその練習を終わらせます。それが徐々にうまくなってきたら、次は点耳薬を少し耳に触れさせていきます。それも抵抗がなくなってきたら、耳の中に点耳薬の容器を入れていく、というようにステップアップしていきます。最終的には点耳薬の蓋を取って耳の中に直接薬をつけるところまでやっていきます。
耳のケアは怖いことではない、おやつと組み合わせであるということを覚えてもらい、恐怖心をなくしてあげましょう。

口にあたる歯ブラシに慣れさせる練習
▲口にあたる歯ブラシに慣れさせる練習

歯磨きシートに慣れさせる練習
▲歯磨きシートに慣れさせる練習

◎歯ブラシ
まずは、ペースト状のおやつを歯ブラシに塗って、歯ブラシをカミカミさせて歯ブラシは美味しいものという認識を持たせます。歯磨きの際は頭を押さえながら行うので、同時に頭をさわることにもゆっくり慣れてもらいます。この時点では、歯ブラシを口の中で動かしたり磨いたりするようなことはせず、歯ブラシは怖くないもの、歯ブラシをするときは頭部を触られることを覚えてもらいましょう。それが徐々にできるようになってきたら、口をめくって歯を見せてもらいます。もちろんこの時もおとなしく歯を見せてくれたらおやつをあげます。それもできるようになったら、次は歯ブラシで歯に少し触れて、それができたら指につけたおやつを舐めさせてあげます。猫が逃げるようであれば練習しすぎているかもしれないので、猫が楽しく飽きない程度に練習を進めていきます。
歯ブラシではなく歯磨きシートを使う場合は、シートとペースト状のおやつを両方手に持って、両方が口の近くに来ることを教えます。その次に、シートだけ先に口に近づけて、嫌がらずにしばらく我慢出来たらおやつをあげます。シートを近づけたとき、猫が後ろに下がって拒否するような行動をとったら嫌がっている合図です。その時は無理に練習を続けず、猫が自分からシートに近づいてくれるように、少しずつ落ち着いて練習を進めていきましょう。

怖いものを克服するには?

時間はかかってもストレスをかけないことがポイント!

動物が怖いと思っているものに対して、それは怖くないよ、と教えてあげることを「脱感作(だつかんさ)ー拮抗条件づけ」と呼んでおり、これはおやつを与えながら徐々に刺激に近づけていく、というトレーニングです。例えば、掃除機が苦手な猫を慣れさせるために、遠くに離れた猫の少し前におやつを置いて、少しづつ掃除機に近づけさせていきます。この時のポイントとしては、力づくで猫を掃除機に近づけさせない、ということです。無理やり近づけさせるとより一層掃除機に対して恐怖心を持ってしまいます。そのため、猫のペースに合わせて、猫自身の力でゆっくり近づけさせていきます。この方法はハズバンドリートレーニングでも使われていて、ゆっくり少しづつ刺激に近づけさせていき、この刺激は怖くないよ、ということを教えてあげるトレーニングです。
時間はかかるかもしれませんが、ストレスをかけない、無理強いしない、というのが一番大事なポイントです。

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▲怖がっているものに徐々に近づくようにおやつを置いて、少しずつ対象物に近づけさせる

猫のケアに重要なキャリートレーニング

まずは遊びの中でキャリーに慣れることから始めよう!

常に身近にキャリーがある環境を作っておく
▲常に身近にキャリーがある環境を作っておく

キャリーの中にとどまっておく練習
▲キャリーの中にとどまっておく練習

猫のケアをするにあたって、猫がキャリーに入るようになる「キャリートレーニング」が非常に重要になってきます。これに関しては最初からおやつを使ってキャリーに入れるのではなく、まずキャリーの存在に慣れさせるところから始めていきます。写真のように、常にキャリーが身近にあるようにしておいて、遊びでキャリーに出入りするような環境を作ってあげましょう。猫にとってキャリーは動物病院に連れて行かれる怖いもの、ではなく、いつも身近にあるものという意識を持たせます。キャリーが身近な存在になったと感じたら、キャリーに入る練習をしていきます。この時、猫をいきなりキャリーに入れようとするのではなく、おやつを徐々に近づけていって猫が自分からキャリーに入るようにしていきます。キャリーの中に入ってもいきなり蓋を閉めるとびっくりしてキャリーを警戒するようになってしまいます。中に長い時間いられるようになってから、徐々に蓋を閉めていくようにしましょう。キャリーの中に入れるようになったら、猫にキャリーの中にとどまる練習もしていきます。キャリーの中に入ってくれたら、キャリーの中におやつをたくさん入れてあげて、キャリーの中にとどまっていたら美味しいおやつがたくさん出てくるぞ、ということを教えてあげます。そしてキャリーの中にとどまっている状態で蓋を閉めるようにすると、キャリーに入ったけれど蓋を閉める前にダッシュで出てきてしまった、ということを避けることができます。キャリーの中に入って蓋を閉めてもパニックにならない状態になったら、次はキャリーを持ち上げて歩く練習です。猫をキャリーに入れた状態で持ち上げて、その段階でおやつをあげます。歩き始めると揺れてしまい猫がびっくりしてしまうので、まずは持ち上げた状態に慣れてもらいます。持ち上げて降ろしてを繰り返し練習し、その次に持ち上げた状態で肩にキャリーを掛ける動作、そしてその状態で歩く動作、というようにそれぞれの動作をおやつを与えながら慣れる練習していきます。少しずつ刺激に慣れさせていくことが大切です。

猫の苦手なことの一つに爪切りもあります。猫の爪を切るときは20本を一度に切るのではなく、今日は1本だけ切っておやつをあげて、明日は2本切ってみよう、というように少しずつ慣れさせていくと、猫のケアもストレスなくできるようになります。

基本的な猫との暮らし方の情報はこちらのホームページでも発信しておりますので是非ご覧ください。
【URL】https://wan-nyan-kurashi.com/

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