健康で美しい猫を育てる
ブリーダーたち
キャットショーでアメリカンショートヘア
の魅力を伝えたい!ブリーダー
ブリーダー歴敏彦さん20年、みほ子さん30年
つちや としひこ・みほこ
土屋 敏彦 さん・
みほ子 さん
飼育されている猫ちゃんの種類と数を教えてください。
みほこさん:避妊去勢をしたアメリカンショートヘアが3頭。エキゾチックとペルシャが合わせて21頭くらいいます。彼は元々アメリカンショートヘアのブリーディングを長くやっていたのですが、現在はエキゾチックとペルシャを一緒にブリーディングしてくれています。
ペルシャとエキゾの魅力
飼育されている猫種の魅力を教えてください。
トットちゃん(0歳3ヶ月)
【エキゾチックロングヘア】
性格:優等生、言うことをちゃんと聞くとてもいい子
チャームポイント:コートの色(綺麗なブラウンマッカレルタビー)、ユニークなお顔。
みほ子さん:エキゾチックロングヘアは、ペルシャ猫とスタンダードが同じなんです。エキゾチックショートヘアは、毛が短いというだけで体型や尻尾の長さ、頭の丸さ、お目目の大きさ、ユニークなお顔…全てが一緒。ただショートヘアかロングヘアかの違いだけです。ドライフードを一粒取って「あーん」と食べさせてあげると、まるで鳥の雛がエサを待っているかのような口をするのがかわいらしいです。毛も綺麗にしてあげないともつれるので、毎日ブラッシングして定期的にシャンプーをします。もつれた毛をほどいて綺麗にブラシでといてお風呂に入れて、ポンポンに仕上がったときの美しさを見ると幸せを感じます。お世話好きの方は、ぜひ飼っていただきたいと思います。
敏彦さん:手を入れたら、入れた分だけ綺麗になるんですよね。
みほ子さん:そうそう。ちゃんと応えてくれます。
どのような性格ですか?
みほ子さん:おっとりした子が多いのですごくお世話しやすいです。この猫種は懐きやすいと思います。なので、初めて飼う方にとっては、シャンプーやブラッシングなどのお手入れは大変ですが、人に懐きやすく遊ぶのも好きな子が多いので、仲良くなりやすくお勧めです。一緒に楽しく生活ができるのが、ペルシャ・エキゾだと思いますね。
ペルシャとエキゾの第一人者
土屋みほこさんが語る 誕生秘話
みほ子さんは、ペルシャとエキゾの第一人者だとか?
みほ子さん:そうなんです。実は現在、CFAでシルバー&ゴールデンペルシャの第一人者になっています。この猫種が大好きで、熱意を持ってブリードしています。
あのシルバーでグリーンの目を持つペルシャ猫が好きなんです。昔は違う毛色のペルシャを交配していました。それをハイブリッドして毛色の違う子と交配して、1代目2代目と育ててきました。綺麗なシルバーで目がグリーンの猫ちゃんを育てるのは大変でしたが、それも楽しみのうちになっていきました。そして、たくさんの頼れる友人がサポートしてくれて、食事やお手入れをきちんと管理してくれます。
猫ちゃんの遺伝をどのように学びましたか?
みほ子さん:当時は海外の情報を参考にしていました。血統ごとに交配した毛色の違いを勉強したり、特定の目の色や毛色が出現する組み合わせなどを学びました。例えば、シルバーに赤い毛色やブラウンの血統を混ぜたらどうなるんだろうというようなことです。自らやりながら、海外のブリード情報を集め、遺伝学をしっかり勉強しましたね。そして、海外から年に4回会報誌が送られてくるんですが、それらを読み、より知識を深めました。
ペルシャとエキゾの
お世話のこだわり
お世話でこだわっていることを教えてください。
みほ子さん:ペルシャとエキゾチックって皮脂がすごいんです。実は、猫ちゃんが野生だった時代から雨風をしのぐために体の皮脂を多く含んでいました。けど、そのなごりで今のペルシャやエキゾにおいても皮脂が分泌されていて、ショーキャットにとっては、美しい被毛がベタっとしてしまい、美しく見えなくなってしまうこともあるんですよ。猫ちゃんの余分な皮脂を取ってあげないと本来抜け落ちなければいけない毛が皮脂にくっついて毛玉になって、ギトギトしてラーメンみたいになっていきます。その皮脂を何とか簡単に落とせないかと昔から色んな用品を使ってシャンプーをしてきましたが、スッキリしなくて。だから、なんとか皮脂を綺麗にクレンジングできないかという思いから自分でクレンジングクリームを開発しちゃいました。猫ちゃんの負担がなく、自分の手が荒れることもなく、簡単に手軽に時短で落ちるNobel Chatonスーパークレンジングクリームを自分で作りました。
敏彦さん:とにかく色んな用品を使い、試していますね。なので、他の人が使っているシャンプーの話が全てわかるくらいです。
Breeder’s view
キャットショーの猫ちゃんは
圧倒的にきれい!その理由とは?
キャットショー初出陳の衝撃から グルーミングマニアに
ブリーダーと並行してグルーミングサロンを営まれている土屋さん。グルーミングに強いこだわりを持つようになったキッカケを教えてください。
みほ子さん:初めてキャットショーに猫ちゃんを出陳した時に、自分の猫ちゃんはグルーミングが出来ておらず、他の出陳猫ちゃんと比べると美しさが違って。お顔もショータイプの子と比べると少し違って、最初は来る場所を間違えたかなと思ったくらいでした。
敏彦さん。:初めてキャットショーに行くと、何が一番びっくりするかって、猫が綺麗なことです。「なんでみんなこんなに綺麗なの?!」というくらい。同じ品種でも、顔も体格もお手入れも全然違います。
みほ子さん:最初は、普通に家でお風呂に入れていたんです。だけどキャットショーの会場を体験して、何かが違うと気づいたら「なんとかしなきゃ」と思うんですね。まぁ綺麗にするだけがショーで受賞するポイントではないのですが。今となってはグルーミング狂というくらいグルーミングが大好きです。
グルーミングでキャットショーの結果が変わる!
グルーミング次第でキャットショーの結果が変わる?
みほ子さん:例えば、自分の猫ちゃんが80点だとします。そしたら、後の20点をグルーミングでカバーしてあげて、95点くらいに持っていくのがグルーマーの技術ですよね。もし、毛玉だらけのまま連れて行ったら、せっかく80点くらいのポテンシャルを持っている子が60点くらいになってしまいます。だから結局はオーナーさんの猫ちゃんの見せ方で全然違うんだなと思いますね。猫ちゃんの評価だけど、綺麗にグルーミングしている猫ちゃんと何もしていない猫ちゃんとでは全然違いますよね。奥が深いです。
ジャッジ目線でも、グルーミングの重要性を強く感じることがありますか?
敏彦さん:やっぱり審査していくときに綺麗な猫ちゃんは印象に残ります。1番最後のベスト10を決めるときにあまり手入れが行き届いていない猫が「この子、1位です」ってなったらどうでしょう。「え?」ってなりますよね。なので、グルーミングで手入れをしている猫というのがまず1番最初の第一歩なんですよね。
グルーミング次第で見た目にも違いが出ますか?
敏彦さん:もちろんです。全然違います。
みほ子さん:毛の流れが全然違います。長毛じゃなくても一目瞭然です。ショートでも綺麗な猫ちゃんはつるつるサラサラピカピカです。でも、皮脂がちゃんと取れていない猫ちゃんはペタペタゴワゴワするんですよ。それぞれの品種の毛ざわりがあって、それに近づけるようにグルーミングをしてあげます。
Breeder’s view
ブリーダー兼グルーマーとして
活躍中の土屋さん夫妻が語る
グルーミングのポイント
グルーミングのポイントはありますか?
みほ子さん:ありますね。1つ目は、お風呂やドライヤーの時に猫ちゃんを膝の上もしくはテーブルの上で上手にコントロールすることです。そうすると、上手に毛をとかせたり、爪が切れたり、シャンプー出来たりできますよね。猫ちゃんの扱いはまず1番大事です。 2つ目は、グルーミングの用品を上手に使いこなして綺麗にすること。この2つが大きなポイントです。これができなかったらせっかく猫ちゃんを洗っても綺麗にならないと思います。途中で逃げられたら濡れたまま、よれたままになってしまうので。きっちり皮脂が落ちていないベタベタの毛だと乾かないんですよ。2つのコツをクリアできれば、スペシャルグルーマーになります。
ブリーダー兼グルーマーとして、技術を伝えているのにはどんな想いがありますか?
みほ子さん:キャットショーで私のグルーミングの猫ちゃんを見てくれた人が、「すごい!自分の猫ちゃんもやってほしい」とお願いされるんですよね。自分だけが上手なのではなく、みんなが上手になればいいですよね。今は、お家で長毛種を飼われる方が増えてきています。皆さんが、長毛種と仲良く暮らしてほしいし、食べ物もグッズも良いものを教えてあげたくてお店もしています。
敏彦さん:うちのサロンでは2階でお教室もやっています。なので、たくさんの人に習いに来てほしいですね。
土屋さん夫妻の考える
キャットショーの魅力とは?
土屋さんの思う、キャットショーの魅力とは?
みほ子さん:キャットショーは自慢する場所ではないです。スタンダードに合っているかはもちろん、どんなご飯がいいか、どんな獣医さんがいいのかなど、情報交換の場なんですよね。例えば人間の場合、目が悪くなった時は眼科、皮膚が悪かったら皮膚科に行きますよね。猫ちゃんも同じで特化してきているんです。キャットフードも同じで、用途に合わせて種類があるようにお医者さんにも用途があります。当時は関西に住んでいて、「眼科のいいところがないなー」と思っていたら、東京にお住まいの方がいっぱい良い情報を知っていて、情報交換がすごくありがたかったです。後は、ご飯のサンプルがもらえることもあるので、実際に食べさせてみて「このご飯いいなー!」と発見ができます。キャットショーは、色んなことを知りに行ける場所ですね。
ブリーダーとしては、どれだけスタンダードに近いか審査員に見てもらって、それを指針にタイトルを取れる猫ちゃんを繁殖をしなくてはいけません。なので、キャットショーでタイトルをしっかりとれる子や、形のいい子から繁殖をするためにショーにいきたいなと思っていました。自分の育てている子がどこまでいくのか、知るための意味のある場所だと思っています。
キャットショーのお客さんにメッセージをお願いします。
敏彦さん:キャットショーには、猫のエキスパートのブリーダーさんがたくさんいます。なので、ブリーダーさんと話す機会が作れると良いなと思います。情報交換をしたり、もしくは「あの子、可愛いな~」と思ったら、そこのブリーダーさんのところに行って、猫ちゃんを譲ってもらえないか交渉してみたりすることもできます。後は、キャットショーに行くとグッズがたくさん出ていることがあります。僕の店もキャットショーじゃなきゃ手に入らないグッズを取り扱っていますが、比べ物にならないくらいたくさんのお店が出てきます。それもキャットショーの魅力の1つです。僕もショーに行ったら必ずグッズを見ます。通販でしか手に入らないようなものや、まだ見たことのないアイテムやショップが並びます。もちろんフードも同じです。ロイヤルカナンさんでも、「あれ?こんなフード出てたの?」となる商品もあるので。絶対キャットショーに行ったら、ブリーダーさんに声をかけてみたり、ショップに行ってみたりと色んな楽しみ方をしてみてください。